「自分の仕事を評価する方法がわからない」
「自分の強みが抽象的で、職務経歴書が毎回似た書き方になってしまう」
「成果をアピールしたいが、どう数値化すればよい?」
システムエンジニアの転職活動にこのような悩みはつきものです。職務経歴書で自身の価値を的確に伝えるには、事前のキャリア棚卸しと自己分析が欠かせません。
この記事では、キャリアの棚卸しから自己分析の流れと、洗いだした情報を職務経歴書にどのように反映させるのか、具体的に解説します。
システムエンジニアの転職に自己分析とキャリアの棚卸しが必要な理由
もし、職務経歴書に書く自身の強みが「コミュニケーション能力」「課題解決力」といった抽象的な言葉でしか表現できないとすれば、キャリアの棚卸しと自己分析が不足している可能性が高いです。さまざまな課題をどのように解決してきたのか、過去の経験を深く掘り下げることで、自分だけの具体的な強みが見つかります。
また、エンジニアはチーム単位で仕事をすることが多く、個人の貢献度がわかりにくいため、単にプロジェクトに携わった事実だけでは転職時のアピール材料としては不十分です。「プロジェクト内で自身がどのように課題解決に貢献したか」を具体的に言語化するために、キャリアの棚卸しと自己分析が必要なのです。
システムエンジニアのキャリア棚卸しのポイント
ここからは、システムエンジニアがキャリアの棚卸しをする際のポイントを解説します。
どんな小さなことでも、思い出したまますべて書き出す
特に実務経験が少ない場合は、どんな小さなことでも、自身の経験を思いつくままにすべて書き出しましょう。この段階では形式は気にせず、ジャンルや優先順位ごとに整理するのも後回しで構いません。
職務経歴書に書けそうなこと(実績)が見つからない場合は、以下のポイントで経験を洗い出すと自分の仕事に対する姿勢や価値観が明確になり、得意分野がわかります。
- 業務に取り組むうえで意識してきたこと
- 情熱的に注力してきたこと
- 失敗から学んだこと
- 過去に達成感を感じたこと・楽しかったこと
上司や同僚からの評価(デバッグで原因を特定するのが得意、情報整理が上手い、など)も思い出してください。自身の強みを客観的に証明できる材料になるからです。
実務経験は「時系列×技術×役割」で整理する
棚卸しで洗いだした実務経験を項目に分けて整理しましょう。「時系列」「技術」「役割」の3つの軸に当てはめることで、自分の実務経験の全体像を漏れなく把握できます。
以下のフレームを使って、担当したすべてのプロジェクトを時系列で振り返り、各プロジェクトで用いた言語・フレームワーク・環境(AWS、Dockerなど)を整理することがおすすめです。
| 項目 | 記載内容の例 |
| プロジェクト時期 | 2022年4月~2023年3月 |
| 役割 | 機能開発リーダー |
| 使用技術 | Java, Spring Boot, MySQL, AWS |
| チーム規模 | 5名 |
| 課題 | 特定バッチ処理の実行時間が長く、運用負荷が増大 |
| 行動 | SQLのチューニングと処理の非同期化を提案・実装 |
| 成果(数字) | 処理時間を平均30分から5分へ短縮(約83%改善) |
プロジェクトでの成果は「①どのような課題があり、②それに対して自分はどう行動し、③結果としてどんな改善効果があったか(課題→行動→改善効果)」と3ステップで整理すると、職務経歴書に落とし込みやすくなります。プロジェクトの貢献度を示すために、成果を数値で表すことがポイントです。
エンジニアの自己分析で強みと弱みを定義する方法
キャリアの棚卸しで整理した情報をもとに、以下の方法で強みと弱みを定義しましょう。自身の強みと弱みを分析し言語化しておくことで、職務経歴書が単なるスキルの羅列でなく、自分だけのユニークなスキル証明へと変わります。
強みは「技術スキル×行動特性」で定義する
自分の強みは、棚卸しで見えた「技術スキル」と、成果を生み出す過程の「行動特性」を掛け合わせて定義します。
- 例1: Reactの経験(技術スキル) × UIの使い勝手を改善する提案力(行動特性)
- 例2: Linuxの運用経験(技術スキル) × トラブルシュートの初動の速さ(行動特性)
弱みは「改善アクション」とセットで分析する
弱みを表現する際には、改善に向けた具体的な行動とセットで分析することがポイントです。
【弱みの分析例】
- 【弱み】新しいフレームワークのキャッチアップに時間がかかりがち
- 【改善アクション】 公式ドキュメントを読むだけでなく、実際に簡単なアプリケーションを作成して学習するよう心がけている
失敗経験があれば、そこからリカバーしたプロセスについても同様にストーリー化しましょう。改善に努める姿勢が成長意欲のアピールにつながります。
棚卸しと自己分析を職務経歴書に落とし込むポイント
最後に、分析結果を職務経歴書に効果的に反映させるためのポイントを解説します。
構成は「プロフィール→スキル→案件実績」で整理する
せっかく洗いだした強みが埋もれて、採用担当者の目に留まらなければ意味がありません。情報を職務経歴書に落とし込む際には、多忙な採用担当者がスキルや経験を一目で把握できるよう一覧表にまとめ、可読性を高めてください。
- プロフィール: 経験年数、得意領域の要約
- スキル一覧: 対応可能な言語、環境、ツールの一覧
- プロジェクト概要(新しい順): 担当プロジェクトと役割
- 成果・工夫したこと: 「課題→行動→結果」で貢献を記述
- 自己PR: 再現性のある強み(技術スキル×行動特性)をアピール
採用担当者は、候補者の古いスキルよりも最近のスキルを知りたいので、新しいプロジェクトから順にするのがポイントです。
成果の書き方
プロジェクト実績では自身の貢献度を明確にするために、「何をしたか(業務内容)」と「その結果どうなったか(成果)」を分けて記載し、混在させないようにしましょう。
書類通過率を高めるために、スキル一覧やプロジェクト概要に自身の経験に合致する技術キーワードを適切に盛り込むこともポイントです。
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