「毎回同じようなテスト案件ばかり」「専門性が身に付かない」「このままでエンジニアとしてのキャリアは大丈夫なのか」
中小規模のシステム開発会社や、SES企業で働くエンジニアの中には、こうした不安を抱えている方が少なくありません。実際、下流工程や運用保守のみを繰り返していると、技術革新のスピードに取り残されるリスクもあります。
しかし、フィールドを選べば、キャリアを自分で設計することも十分可能です。今回は、現状に行き詰まりを感じている若手のシステムエンジニア・インフラエンジニアに向けて、キャリアを切り拓くための視点と具体的なステップに加え、キャリアアップできる企業を選ぶ際の基準を解説します。
SES企業で働くエンジニアが将来に不安を感じやすい理由
若手のエンジニアが将来に不安を抱く背景には、「エンジニアが自分でキャリアをコントロールしにくい」という業界特有の構造的な課題があります。案件に恵まれれば成長機会を得られる反面、キャリアが停滞するリスクも抱えているのが特徴です。
- 運次第の配属(案件ガチャ)によるキャリアの断絶
- 上流工程に携わる機会の不足
アサインされる現場が会社の都合や案件の空き状況に左右され、希望する技術領域や業界に関われるかどうかが運次第になりがちです。テスト・運用保守の案件が続いた場合、新しい技術に触れる機会が限られてしまいます。
また、商流が深い案件では、要件定義や基本設計といった上流工程は元請け企業が担当し、中小規模のシステム開発企業は詳細設計以降や製造・テストのみを請け負うことが一般的です。下流工程しか経験できずに年齢だけを重ねると、市場価値が頭打ちになっていると感じてしまいます。
だからこそ、キャリアを運任せにせず、自分で設計する必要があるのです。
若手のエンジニアがキャリアアップするために必要な視点
経験が少ないシステムエンジニアやインフラエンジニアは、受け身のままでいると自分が望まない案件にアサインされ、キャリアアップに必要なスキルが身に付かない可能性があります。エンジニアとして進むべき方向を定めるために、まずは視座を高めましょう。
まずはキャリアの”軸”を明確にする
まずは、今後は何を強みとしていくのか、すなわち「キャリアの軸」を明確にしましょう。軸がないまま案件をこなし続けても、経験がバラバラで一貫性がなければ、キャリアアップに向けて何をがんばるべきかが見えてきません。
【キャリアの軸の例】
- 技術軸:クラウド、セキュリティ、AIなど特定の技術領域を極める
- 業界軸:金融、公共、製造など特定の業務知識を武器にする
- 役割軸:PM(プロジェクトマネージャー)、テックリード、スペシャリストなど
目指す方向が決まれば、今の自分に不足している経験やスキルが明確になり、キャリア設計の出発点に立つことが可能です。
エンジニアとしての価値を高めるスキルを見定める
キャリアの軸が決まったら、自身のキャリアプランを実現するために習得すべきスキルは何かを見定めましょう。需要が高く、供給が追いついていない領域のスキルを選択すれば、エンジニアとしての価値が格段に高まります。
需要が高いスキルの一例は以下の通りです。
- クラウドネイティブな開発
- オンプレミスとクラウドを組み合わせたハイブリッド環境の構築スキル
- アプリケーション開発+インフラ周りの「フルスタック」な視点とスキル
上流工程に挑戦するのであれば、顧客折衝やチーム調整といったソフトスキルも欠かせません。現場が求める技術と自分の適性を照らし合わせ、学ぶ技術を戦略的に選定してください。
特定業界(ドメイン知識)に強みを持つ
技術力に加えて、業務知識(ドメイン知識)もエンジニアのキャリアアップにつながる強力な武器です。
【ドメイン知識の一例】
- 金融業界:銀行法の知識や勘定系システムの仕組み
- 物流業界:SCM(サプライチェーンマネジメント)の理解
- 医療分野:レセプト・診察フローの知識
特定分野で右に出る者はいないレベルになれば、技術トレンドが変化しても代替の利かない人材として活躍し続けられます。特定業界に強みを持つ企業に就職し、腰を据えて知識を深めるのも一つの戦略です。
若手のエンジニアがキャリアアップする具体的なステップ4選
キャリアの視点が定まったら、プラン実現に向けて行動に移しましょう。ここでは若手のエンジニアがキャリアアップするための最初のステップを4つ紹介します。
① AIやクラウドなど最先端技術を習得する
AIやクラウドなど最先端の知識と技術を習得し、案件の幅を広げることも一つの手です。
- AWS・Azureなどのパブリッククラウドの知識
- オンプレミスとクラウドを組み合わせたハイブリッド構成の理解
- AIを活用したシステム開発
- データ分析基盤の構築
自身の得意領域と最先端技術を掛け合わせることで、キャリアの選択肢は大きく広がります。AWS認定資格やMicrosoft Azure認定資格といった専門資格は、実務経験を積めない場合でも転職時にスキルの客観的な証明として役立つため、取得するのがおすすめです。
② 上流工程に挑戦する
指示されたものを作るだけでなく「何を作るべきか」「どう作るべきか」を考える工程へシフトします。
- 顧客の要望をヒアリングし、要件としてまとめる
- システム全体のアーキテクチャを設計する
- 顧客に対して技術的な提案を行う
クライアントの課題を整理し、システムの全体像を設計するプロセスに関わることで、ビジネス理解力や顧客折衝力も磨かれます。ビジネスを理解できる技術者は希少なため、引く手あまたになるでしょう。
上流工程の経験を積むためには、その機会を得られる環境に身を置くことが大切です。元請けや大手企業と直接取引している企業に転職することで、設計フェーズから携われる可能性が高まります。
③ リーダー・PMにチャレンジする
チームをまとめるリーダーや、プロジェクト全体を管理するPMに挑戦する道もあります。
QCD(品質・コスト・納期)を意識してプロジェクトを推進した実績は、どのような組織においても高く評価されます。進捗管理や課題解決、メンバーの育成など、マネジメントの視点を持つ人材は、技術職としても重宝される存在です。
リーダーのスキルは任されるのを待つのではなく、積極的に手を挙げることで初めて習得できるスキルです。まずは小さなチームのリーダーからチャレンジしてみましょう。
④ 高水準のプロジェクト環境に身を置く
エンジニアとしての成長スピードは「どんな環境で働くか」「誰と働くか」に大きく左右されます。高い水準の環境を選ぶことで、成長を加速度的に早めることも可能です。
- ミッションクリティカルな大規模システム
- 高い品質基準が求められる金融・公共案件
- 最新の技術スタックを採用しているプロジェクト
品質・コスト・納期を厳密に管理する大規模プロジェクトに携わることで、エンジニアとしての基礎体力が鍛えられます。転職先を検討する際には、プロジェクトの規模や品質基準もチェックしましょう。
キャリアアップを実現しやすい企業の特徴とは
キャリアアップを目指して転職する際には、個人の努力も欠かせませんが、それを受け入れる土壌が会社になければ実現は困難です。以下にエンジニアがキャリアアップを実現しやすい企業の特徴を挙げます。
大手企業との直接取引が多い
一次請け(プライム)や、それに近い立ち位置で大手企業と直接取引を行っている企業を選びましょう。顧客と直接対話ができるため、要件定義などの上流工程から参画できるチャンスが増えます。また、大規模な案件に携わる機会も多く、社会的な影響力の大きい仕事に関われるため、やりがいもひとしおです。
システム・インフラ両面を経験できる
アプリケーション開発のみ、サーバー構築のみといった分業が固定化されている企業では、技術の幅が広がりません。一方、システム開発とインフラ構築の両方を行っている企業であれば、フルスタックな視点を養いやすく、プロジェクトの全体像を把握する力が身に付きます。
最先端のトレンドに対応するために、クラウド環境の構築実績が豊富な企業を選ぶことをおすすめします。
学習支援制度と評価制度
エンジニアの成長をバックアップする体制が整っているかも重要なチェックポイントです。
- 資格取得にかかる費用の補助や報奨金制度
- 技術研修や勉強会の開催頻度
- 実力や成果を正当に給与へ還元する評価制度
研修・資格取得支援が整備されており、技術者を正当に評価する文化がある企業では、努力が報われやすくなります。「エンジニアを大切にしているか」を、制度と文化の両面から確認してみてください。
上流工程と先端技術で成長を目指すなら日比谷情報システム
もしあなたが現在の環境に限界を感じ、確実なキャリアアップを望んでいるのであれば、日比谷情報システムで新たなキャリアを築いてみてはいかがでしょうか。独立系SIerとして、特定の親会社や製品に縛られることなく、金融・通信・製造・公共など、多岐にわたる業界のシステム構築を手掛けている企業です。
【日比谷情報システムにおけるキャリア形成上の強み】
- 上流工程案件が多い:大手企業との直接取引が多く、要件定義・設計から関われる案件が豊富
- クラウド・インフラの実績:ハイブリッドクラウド構築など、先端技術に触れる機会がある
- QCDを重視するプロジェクト環境:品質・コスト・納期に対する意識が高い現場で、プロとしての基礎を磨ける
- エンジニアを尊重する社風:技術者リスペクトの文化があり、利益は給与に還元される
- 充実した学習環境:研修・資格取得支援など、成長をサポートする制度が整備されている
エンジニアとしてのキャリアは運任せでなく、環境を選ぶことで変えられます。日比谷情報システムには、あなたが培ってきたスキルを活かし、さらに高みをめざせるフィールドがあります。「理想のエンジニア像を目指せる」と確信できるキャリアを、一緒に築いていきましょう。