DX、クラウド、セキュリティ、生成AI…近年はIT技術の進化が加速しており、エンジニアやプロジェクトマネージャーに求められるスキルも変化しています。そんななかで、市場価値の高いエンジニアになるためには、どのようなスキルや経験が必要なのでしょうか。
今回は、IT業界における転職市場のトレンドを押さえつつ、キャリアアップをめざすシステムエンジニアとインフラエンジニアが取り組むべきことを紹介していきます。
<目次>
1. 売り手市場が継続中。インフラエンジニアはニーズ急増
2. ポイント① 対応できる領域を広げる
3. ポイント② クラウド関連の知識を深める
4. ポイント③ プロジェクトマネジメントのスキルを高める
5. ポイント④ ビジネスに対する視点を持つ
5. 日比谷情報システムは成長したいエンジニアを支援しています
売り手市場が継続中。インフラエンジニアはニーズ急増
ここ数年は、ITエンジニア全体で売り手市場の傾向が続いており、特にインフラエンジニアは引く手数多となっています。その要因のひとつが「2025年の崖」と呼ばれる問題です。
「2025年の崖」は、経済産業省のレポートで言及された問題で、多くの企業において老朽化した既存システムへの対応が急務となっています。つぎはぎが多いシステムは運用コストがかさみ、年を追うごとにセキュリティのリスクが増大していきます。これらを放置すると2025年以降に年間最大12兆円規模の経済損失が発生するといわれており、IT人材の不足に悩む企業は対応に苦慮しているようです。
老朽化したシステムの更改やセキュリティ対策といったプロジェクトには、ネットワークやクラウドといったインフラ基盤に詳しいインフラエンジニアが欠かせません。求められているのは、インフラ全般の設計、構築、運用、保守の経験が豊富なインフラエンジニアや、クラウドと周辺環境に関する知識・技術がある専門人材です。
さらに、システムの根幹から再構築するとなると、上流工程に携わった経験があるシステムエンジニアも必要です。採用情報を見ると、ハイスキル人材の求人が多く、「できるだけ少人数でプロジェクトを回したい」「リプレイスを的確にできる技術者がほしい」「社内調整をスムーズにできる人材が必要」といった企業の事情がうかがえます。
では、システムエンジニアやインフラエンジニアが市場価値を高めるためには、何が必要なのでしょうか。求人ニーズをふまえて、4つのポイントを紹介しましょう。
ポイント① 対応できる領域を広げる
システムエンジニアもインフラエンジニアも、対応できる言語や領域が広いマルチタスクの人材が求められています。多様なプロジェクトの経験を積み、業務を通じて知見やノウハウを広げられればいいのですが、都合よくキャリアプラン通りの仕事が舞い込んでくるのを期待するわけにはいかないでしょう。
であれば、自ら技術や知識を習得するのが第一歩となります。システムエンジニアであれば、ニーズが高い言語の習得。インフラ系なら、情報セキュリティ関連やクラウド、仮想化などの技術・知識が考えられます。
オランダの「TIOBE Software」が定期的に発表している「TIOBE Index」を見ると、昨年から人気ランキングはさほど変わっておらず、Python、C言語、C++、Java、C#が5大言語です。インフラエンジニアは、ネットワークやソフトウェアに関する知見を広げつつ、ファイアウォール設計やセキュリティシステム、AWS、GCP、Azureなどのクラウドサービスに関する知識をインプットするのがいいでしょう。
転職市場で自身の価値をわかりやすくアピールするためには、知識を証明できる資格取得もひとつの手です。転職市場で評価されやすいのは、IPA関連資格(基本情報技術者、応用情報技術者、情報処理安全確保支援士など)のほか、LPIC2~3/LinuC2~3、CCNP、AWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイト、CISSP、CISMなど。今後のキャリア、やりたい仕事に合わせて取得を検討してみてはいかがでしょうか。
ポイント② クラウド関連の知識を深める
前述のクラウドは、今や主流になりつつあり、とりわけインフラエンジニアにとっては必須スキルといっても過言ではなくなっています。AWS、GCP、Azureの3大サービスに加えて、VMWare、Virtual Box、Dockerなどの仮想化技術までカバーできれば、評価が高まります。
クラウドサービスにおいても、「AWS 認定ソリューションアーキテクト」「Google Cloud認定資格」「Microsoft Azure認定資格」といった資格制度があります。目標が明確にならないとモチベーションが上がらないという方は、これらを取得するところから始めてみてもいいでしょう。
ポイント③ プロジェクトマネジメントのスキルを高める
システムエンジニアやインフラエンジニア以上に人材が不足しているといわれているのが、プロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャーです。DXやクラウドの導入など、組織横断で取り組むプロジェクトは、高いマネジメント能力を持つ人材がいなければスムーズに進みません。
マネージャーやリーダーをめざすための第一歩は、システムとプロジェクトの目的と全体像を的確に把握すること。自分が携わっているシステムは何のためにあるのか、全体のなかでどういう位置づけなのかを理解するのがスタートです。
クライアントやチームメンバーとしっかりコミュニケーションを取り、調整役としてプロジェクト全体を管理するスキル、あるいはマネジメントの経験は転職市場で大きな武器になります。
現状の仕事と役割では、プロジェクトを推進するポジションへの道が見えないという人は、エンジニアとしての知識・技術を磨いてキャリアアップしやすい会社に転職するという選択肢もあります。その場合はIT関連のスキルだけでなく、コミュニケーション力も評価の対象となるので、日々の業務でビジネススキルを向上させるなどの取り組みも必要です。
ポイント④ ビジネスに対する視点を持つ
ITエンジニアにとって技術や知識が重要なのは当然ですが、よりハイレベルをめざすなら、技術や知識をいかにしてマネタイズするのかという視点も重要になってきます。
基本となるのは、お客様のマーケットとビジネスを理解すること。そのうえで、システムのニーズを把握することです。システム開発やインフラ構築・運用の事例をインプットしたり、新しい技術に関する知識を深めて事業やサービスに活かす方法を考えたりするのも、今後の仕事の質を高めるベースになるでしょう。
日比谷情報システムは成長したいエンジニアを支援しています
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お客様との直接取引が多く、上流工程に携われるのも、技術力とコミットメントの評価につながっています。システムのリニューアルやクラウドの導入などのプロジェクトも多く、まさに市場価値が高いエンジニアを育成できるのも当社の強みのひとつです。
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